【偏見的評価で75点】映画:特捜部Q Pからのメッセージ
「他の両親は警察に通報していない」
「警察より神を信じているからだ」
「あなたたちは」
「子供たちを見殺しにして生きていけるのか?」
監督:ハンス・ペテル・モランド
日本公開:2017年1月
カール・マーク(ニコライ・リー・カース)
警部補。
未解決事件を専門に調査する特捜部Qに所属する。
憔悴しきっており、手の震えが止まらない。
アサド(ファレス・ファレス)
傍若無人なカールに振り回されながらも、共に捜査を進める。
映画の出来の良さを評価するものではなく、あくまで筆者の好みかどうかの指標。
あしからず。
ストーリー:8/10点
感情移入:16/20点
没入感:9/10点
感動:8/10点
渋いおじさん:8/10点
美女:5/10点
あとあじ:7/10点
繰り返し観たいか:6/10点
amazon評価:8/10点(☆の数×2を四捨五入)
ネタバレ無しです。
ストーリー:8/10点
流れ着いたビンに入っていた手紙が特捜部Qのもとへ届けられた。
数年前に小さな子供が書いたものと思われ、文字がとぎれとぎれで判読困難であるが、監禁場所から出された助けの文章のように読み取れる。
調査を開始したそのころ、神父により子供が誘拐されたという情報が特捜部に入るが、残された家族は、
「二人を天国へ行かせない」
「死ぬ前にさせることがある」
と脅迫され、警察に通報できずにいた。
宗教心の薄い日本でも絶対こんな映画は撮れないと思う。
そもそも発想できない。
私は4部作目→2部→今作3部作目と
非常に特殊な順番で視聴してしまったが、全く問題なかった。
それぞれ完全に物語が独立しているため、好きな順番で視聴してもらえたら良いと思う。
感情移入:16/20点
アサドが子供を抱きしめるシーンが印象深い。
一瞬のシーンだけれど、彼の人となりが良く表現されていると思う。
4部作目だけを見た段階だと、カールにもアサドにもさほど好感は持たなかったのだか、過去作を見るほどに愛着が湧いてくる。
没入感:9/10点
シリーズを通して、綺麗な物と汚れた物とのコントラストが素晴らしいと思う。
牧歌的で美しい風景や、綺麗な音楽が流れる傍ら、殺人が行われていたり、
学校、宗教、病院など一見、正しく真面目な印象の物の裏で悪事が行われていたりなど。
故に、恐ろしさや、異質な感覚がはっきり実感できる。
しかし、警察たちの無能さには若干の違和感を感じた。
封鎖した建物から簡単に逃げ出せすぎじゃあない?
一般人も普通に車で出て行ってたし。
どうして犯人一人にこれほど攪乱させられてしまたのか。
鬱々としたシーンばかりが続くこのシリーズだが、カールが休暇を取るシーンで若干のギャグが差し込まれたのが嬉しかった。
「課長」
「親戚に会いたいので休職期間の延長を」
「親戚全員白内障に」
「そうか」
「そいつは大変だ」
「可哀想に」
感動:8/10点
聖書をめくるカールが素晴らしかった。
渋いおじさん:8/10点
主演2人の演技も良かったのだが、
犯人のポール・スヴェーレ・ハーゲンが良かった。
微笑みを絶やさない神父と狂気に満ちた犯罪者とを演じきっていた。
美女:5/10点
地元の警察官がちょっと綺麗だったかなあ。
あとあじ:7/10点
これだけの事件を経験しても、宗教心を忘れず協会で仕事をしている様が皮肉を感じる。
物語全体を通して日本人には共感しづらい部分がある。
とはいえ、このシリーズにしては、きっちりした終わり方だと思う。
繰り返し観たいか:6/10点
やっぱり見ていて気が沈むし、爽快な展開は期待できない。
それこそがこの映画の魅力だとは思うが、繰り返し視聴するには精神力を要する。
amazon評価:8/10点(☆の数×2を四捨五入)
合計75点。
被害者になっていたエホバの信者について簡単に調べてみたが、なかなか制約の厳しい宗教であるらしい。
格闘技は行わない。泥酔してはならない。輸血してはならない。国歌斉唱は偶像崇拝にあたるため行わない。喫煙は行わない。淫行は行わない。
などなど。
こういった背景故に今回のエピソードが成立している。
2021年3月30日の時点でプライムビデオで視聴可能です。